さまざまな治療法

髄膜腫は進行の遅い腫瘍です

医者

脳を取り囲んでいる頭蓋骨の裏側は硬膜という膜で包まれています。この硬膜から発症する腫瘍は髄膜腫と呼ばれています。髄膜腫は脳腫瘍の一つで、軽度の場合症状がなく、脳ドックの受診から見つかることも多い腫瘍です。髄膜腫は良性腫瘍の場合が多く、悪性のものと比べて進行の速度が遅く、転移することもほとんどありません。国内の20%近くの脳腫瘍はこの髄膜腫といわれ、比較的男性よりも女性の方が比率が高くなっています。腫瘍が大きくなると脳を圧迫することで様々な症状を引き起こします。吐き気や頭痛だけでなく、腫瘍のできた場所が前頭部の場合には歩行困難になったり、物忘れがひどくなることがあります。頭頂部に生じるとけいれんが起きたり、視力障害を引き起こします。

摘出と放射線治療が必要です

髄膜腫は腫瘍が大きくなる速度が遅いため、症状が出ていない場合や脳への圧迫があまり見られない時には経過観察を行うことがあります。また、腫瘍が小さなうちに取り除く方が手術も比較的簡単ですが、生じた場所によっては手術が難しく、術後の後遺症も考慮に入れるとしっかりとした計画の元、手術を行わなければなりません。手術は発症部分の頭蓋骨を切り取り、骨の裏側にある硬膜に生じた腫瘍を取り除きます。進行度合いによって硬膜を広い範囲で切り取ったり、脳の表面と癒着していると全部の摘出ができないこともあります。取り除いた後には人工骨で蓋をしていきます。一部取りきれなかった腫瘍は放射線治療により進行の程度を抑えていきます。ガンマナイフを使用し、適切な場所にピンポイントで放射線を当てる技術が開発され、手術の難しい患者への治療も試みています。